2018/10/08 12:00
去る9月24日より、ユーミンがサブスクリプション・サービスの配信に参入して話題を呼んでいる。彼女が荒井由実としてデビューした1972年から、昨年発表した現時点での最新アルバム『宇宙図書館』までの間に発表された424曲が、最新リマスターで聴くことができるのだ。しかも、オリジナル・アルバム未収録のシングル盤もすべて網羅しており、定額制音楽配信サービスに加入すれば、彼女のほぼすべての音源が聴けるようになったのは快挙といってもいいだろう。
この影響は、さっそくチャートにも反映された。今週のHot Albumsでは、2012年に発表した40周年記念のベスト・アルバム『日本の恋と、ユーミンと。』が、なんと9位にまで急上昇(【表1】)。実はこのアルバムは、何度もチャートを再浮上している。本作の“GOLD DISC Edition”がリリースされた2015年11月、アルバム『宇宙図書館』が発表された2016年11月、そしてデビュー45周年を記念した続編のベスト・アルバム『ユーミンからの、恋のうた。』をリリースした今年の4月と、何度も山を迎えているのだ。今回もそのひとつではあるが、ストリーミングという手軽なサービスが浸透すれば、さらにチャートイン期間も伸びるに違いない。『ユーミンからの、恋のうた。』も、圏外から28位にまで上昇しており(【表2】)、本作も今後は同じような動きをしていくことだろう。
これまでにも、DREAMS COME TRUEやMr.Children、井上陽水などの大物アーティストが続々とストリーミング解禁されてきたが、ユーミンほど長い芸歴で、しかも世代を超えて支持されているアーティストが登場するのは、やはり大きなインパクトだったと言える。そして、この解禁によって、さらに幅広く、それまであまりユーミンを聴いてこなかった層にもアピールできたはずだ。ベテランの中には配信には慎重なアーティストが多いが、彼女の英断が音楽シーンにおいて良き方向に影響することを願ってやまない。Text:風奏陽
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